弁護士コラム:TFCC損傷について

 TFCC損傷というけがを知ってますか。TFCC損傷とは手関節の小指側にある三角線維軟骨複合体(TFCC)という組織が損傷することにより,手関節の辺りに主に痛みが発生するけがのことです。

TFCC損傷が生じる原因としては,バドミントンやテニスなど手首をねじる動作をしたりした場合に生じることが多いのですが,交通事故の場合,衝突の瞬間に急ハンドルを切ったり,衝突の衝撃によりハンドルに手が強く圧迫された場合などに,発症します。

TFCC損傷で後遺障害が残った場合に因果関係が問題になることが多くあります。それは,TFCC損傷の痛みが当初はそれ程強くなく,違和感程度であり,その後ドアノブを回したり,重い物を持ったりしているうちに段々強い痛みになっていく場合も多くあることから,被害者が交通事故の直後に痛みなどを訴えていないからです。その結果,痛みが強くなった段階で,手の痛みを訴えても,後に事故と後遺障害の因果関係が争われたり,治療が遅れて手術が必要になったりする場合が多いのです。

 ですから,みなさまの中に事故直後に手首の痛み(弱いものであっても...)や違和感がある場合,すぐにお医者様に症状を訴えてカルテに記載してもらい,手首のMRIをとってもらう必要があります。

そして,MRIや触診などで異常があると言われたら,すぐに手の専門医を受診することをお勧めします。早い段階で適切な処置を受ければ,完治する可能性が高いけがでもあります。

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