弁護士費用特約について(令和5年8月21日更新)
弁護士費用特約は,交通事故に関して加害者に損害の賠償を求めるために,弁護士に相談する費用,弁護士に依頼する費用などを,保険会社が支払ってくれるものです。物損についても,弁護士費用特約を利用することができます。このため,加害者に対して損害賠償を求めるのではない車両保険や人身傷害特約に関する相談や依頼については,弁護士費用特約を利用することはできません。
弁護士費用特約が適用される範囲は,当該保険の対象となっている自動車に乗車している場合に限らず,歩いている場合や自転車に乗車中に自動車事故にあった場合も適用になる場合が多いです。また,契約者だけでなく,契約者の妻,同居の親族,未婚のお子様など広い範囲の方が対象になる場合が一般的です。家族がそれぞれ保険契約をしている場合は,それぞれの契約を確認する必要があります。
最近相談を受けたケースでも,一旦保険会社から該当しないとの通知を受けながら,約款を確認した結果,別居していた父親の保険を使用できました。もっとも,使える範囲が限定されている弁護士特約もありますので,注意が必要です。
いずれにしても,事故にあったらまず保険証券を持参して弁護士に相談することをお勧めします。保険会社に問い合わせても,積極的に教えてくれることはないと考えられますので,弁護士費用特約を使えるかどうかは弁護士に相談すると良いと思います。
(執筆者 弁護士 菅野 芳人)
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